今週はずっと国際学生課主催のレセプションやイベントなどが続いた。その最後のイベントがボートトリップで、トロンハイムの港から船に乗って、対岸の半島へ行くものだ。実は明日もイベントがあるのだが、行かない予定なので、俺にとっては最後のイベントになる。ボートトリップは留学生皆楽しみにしていたようで、初めて話す人間との会話では
「どこの国からきた?」
から始まって、
「土曜日のボートトリップ予約した?」
「あったりめーよ」
こんな会話が必ず交わされた。
トロンハイム市は氷河の作用によってできた”トロンハイムフィヨルド”の奥部にできた街である。フィヨルドは奥まっているので外洋波浪の影響がほとんどない。フィヨルド内の遊覧船にはスタビライザーは必要ないだろう。実際船に乗ってみると小さい船にもかかわらずほとんど揺れない。湖の遊覧船に乗っているような錯覚を起こしてしまう。
半島に着くと、古くから保存されている家を見に行く。中は本当にそのままの姿をとどめており、昔の生活ぶりがうかがえる。各部屋は非常に小さく、ベッドも小さい。昔は体格もあまりよくなかったのであろうか?我々をタイムスリップさせるこの空間は、まさに古い映画のワンシーンに登場するそのものであった。
昼食になり、皆思い思いの場所で昼食をとる。今日は新人日本人4人が全員参加しているので、邦人軍団で食べる。と、そこへ中国人が4人登場。さらに中国系シンガポール人も2人来て、アジアフ#ミリーになってしまった。俺は大学で中国語を少しやっていたので、初対面の2人にしっている単語を並べて見る。
「ウォーシーリーベンレン」(我是日本人)
どうでい、ちょっとだけ知ってるぜ。
「?」
「?」
ならばこれをくらえ。
「ウォーシーターシュエション」(我是大学生)
「?」
「?」
全く通じていない。英語で日本から来たという事を告げると、わかってくれた様子で、
「Ah、リーベンルェン」
発音が難しすぎるんじゃ。英語で”L”と”R”の話し分けでさえできない俺。日本語が世界共通語になってくれる事を願っている俺。こんな俺に中国語の発音ができるわけがない。しかし俺も発音を矯正されながら話していると少しづつ理解を取る事に成功し始める。少しでも相手国の言葉を知っている事は、親しみを増す事になる。この後もいろいろな話などをしたが、英語だけで話していたら彼らもここまで心を開かなかったかもしれない。未だにノルウェー語は一切勉強していないが、23日から始まるノルウェー語授業は決しておろそかにできない。頑張れば英語だけのコミュニケーションとは違った何かが得られるはずだ。
トロンハイムの港に戻って、邦人軍団で夕飯をとった。皿に山盛りで出てきたのはエビのボイル。レモンとマヨネーズが非常にマッチしてなかなかの味を醸し出している。Daleさんがトロンハイムは鮭とタラとエビが有名だと言っていたが、そのエビがいま食べているものかもしれない。甘エビと同サイズか若干大きくしたくらいのものだ。
うまい。
うまい。
が、
いくら食べても皿の底が見えません。もう1年分のエビを食べました。そろそろ底が見えて下さい。残さず食べることは俺のポリシーだが、今回ばかりは漁師様申し訳ありません。少し、少しだけ残しました。
おまけ↓#昼食を食べた所にいたワン君。おとなしくて非常によろしい。
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