Wander in Europe

 4   前後#1/2 @Genova
 
地中海沿岸の町を途中下車しつつ、長靴の付け根ジェノバに到着したのは午後8時頃であった。夕飯を簡単なカフェで取った後、街をうろつく事にした。地中海に面したジェノバはとても温暖で夜でも歩くに快適な温度である。
 
縞々模様の教会を抜け港に出た。マストをイメージしてつくられたであろう、オブジェが証明に照らし出されており、静かな海面がそれを鏡の#く映している。周囲は若干の観光客がいる程度で、非常に穏やかな雰囲気を保っていた。
 
そんな穏やかな空気を乱さないかのように、ゆっくりと港の周囲をパトカーがパトロールしている。そのパトロールの甲斐あってか、別段危険な思いをする事もなく港をじっくり見る事ができた。
 
港を後にして、来た道とは別の通りを通って宿へ向かう。車が1台通れるくらいの広さの通りを2階建ての古い家々が囲んでいる道だ。照明も多く、人通りもそれなりにあったので、俺達は非常に安心して歩いていた。
 
 
ところが、
 
 
いつの間にか周囲を歩いていた人間はいなくなり、前にはごつい黒人が2人こちらを凝視している。後ろを振り返ると、こちらもまたごつい白人2人が、後をつけるように歩いてきていた。どちらも見た感じ相当ガラの悪い雰囲気を醸し出している。
 
まずい
 
通りから横に入る道はなく前後を囲まれている形になりつつある。和也もその危険さを#知したようで、彼からも緊張感が伝わってくる。必然的に俺達の歩は速くなり、小走り程度の早歩きとなった。
 
「おい和也、ちょっとやばいかもしれないな。」
 
「・・・」
 
そして、前で凝視している黒人達の前を素通りしようとした瞬間、
 
 
「Hey Hey! *********!!!」
 
イタリア語なので何を言っているのかわからないが、2人共俺達の斜め前から近づいてきた。
 
とにかく関わりたくない。最高速の早歩きでそれを無視しつつ、彼らの左脇スペースをすばやく通過した。
 
どのくらい歩いたか分からない。無心でしばらく歩き続け、後ろを振り返ると彼らの姿はすでに消えていた。彼らが俺達を狙っていたのかどうかはわからない。あの黒人が実は超いい人で、
 
「ボランティアで、通りの掃除をしてるんだぜ!」
 
と、言おうとしていた可能性もある。
 
いや、それはない。
 
通りの雰囲気と、話しかけてくるその語気からとてもそうは思えなかった。
 
 
バルセロナでも似たような事で少々冷や汗をかいた。しかしジェノバでの前後を挟まれた時の恐怖感はバルセロナの比べものにならないモノであった。俺が話しかけた時、和也は全く俺の声が聞こえてなかったらしい。
 
 
ともあれ、何事もなく宿に着く事ができて良かった。夜歩きにはより一層の注意が必要である事を実感した夜であった。
 
 
 


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