Wander in Europe

 2   パリへの長い道のり 12/26
 
モンペリエというフランス南部の町で指定席券を駅に買いに行く。モンペリエからはTGVが約1時間おきに出ており、3時間半でパリまで行ける。
 
「19時半のTGVでパリまで2枚お願いします」
 
「満席です」
 
「じゃあその次のTGVでお願いします」
 
「次のもダメですねえ。他のを調べるので少々お待ち下さい。」
「明日の夕方まで全て満席です。明日の夕方以降であれば1等車に限り空席があります。」
 
最も恐れていた答えが返ってきた。もうパリの宿は予約してあるし、何としてでも今日中に行きたい。各駅停車に乗ってもパリまでは行けないし、TGVは自由席がないので、指定席券がない限りは座れない。和也と相談し、立ち続けてもいいから飛び乗ってしまう事にした。
 
しかしここにも関門があった。ホームへ降りる階段で切符を見せねばならないのだ。
 
「自分達はユーレイルパスを持っています。席に座れなくてもいいんですが、TGVに乗れませんか?」
 
「ダメです。」
 
いくら粘っても埒があかないので、この手段も諦めざるを得ない。どうすべきか。今日は夜行列車も走らないし、パリを諦めてそのままイタリアへ向かうか、それとも翌日夕方まで待つか。
 
トマスクックの時刻表と睨めっこをして新たな道を発見した。フランスを西回りにボルドー経由でパリへ向かうものだ。ボルドーへはモンペリエから各駅停車があり、それに乗れば夜の1時半に到着する。そしてボルドーで3時間待てば朝4時半発のパリ行きTGVに乗る事ができる。
 
窓口へ再度アタックをしてみると、
 
「良かったですね。ボルドー朝4時半発のTGVは予約可能です。」
 
ホッと胸を撫で下ろした。もう宿のキャンセル料はしょうがない。とにかくパリに行けるだけでもありがたい。
 
窓口のおばさんに感謝して、各駅停車に乗り込んだ。
 
 
 
 
 
ボルドー駅には定刻通り到着した。堅い椅子に座ってひたすら朝4時半を待ち続ける。眠いのだが椅子の堅さと微妙な寒さによって寝る事が出来ない。結局2人共一睡もできないまま朝4時半まで待ち続けた。
 
待ち続けたTGVを今や遅しと待っているのだが、何かあったのか中々入線してこない。
 
発車時刻の4時46分を過ぎても列車は来ないので駅員さんに聞いてみた。
 
「何かあったんですか?」
 
「運転手がいないんですよ。」
 
「運転手の人が寝坊か何かやらかしたんですか?」
 
「Yes! Exactly!!#ガハハ」
 
寝坊は駅員さんの冗談だと思うが、運転手不在で列車が動かないとは古今聞いた事がない。日本のJRではあり得ない話だ。
 
結局4時46分発のTGVは次の5時20分発のTGVと併結される事となり、24両編成という長大なパリ行き1番列車は5時20分に発車した。
 
 
 
 


| Prev | Index | Next |


| Home | Profile | Diary | Photo Gallery | Link | The god of "deha" | Wander in Europe | Photos of Europe |
| Trips in Norway |


Mail
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送