ケーブルカーを２回乗り継いで上がった城跡周囲はとてもローカルな雰囲気に包まれていた。ここから見た夕陽は格別なものであった。

マッターホルンの膝元に位置する、スイスのツェルマット。ここからは登山電車やロープウェイが出ており、夏冬問わずたくさんの旅行者が訪れる。

登山電車は終点ゴルナグラート駅に到着した。ここから見るマッターホルンは最も美しいと言われ、アルプスの山々を従えたその姿は息を飲むほどであった。

ツェルマットからゴルナグラートに至る登山電車にも途中いくつか駅がある。そのうちの一つ、リッフェルベルグで途中下車した俺は教会の脇を抜けて、リッフェルホルンへ向かった。

リッフェルベルグから歩く事３０分。周囲にはスキーヤーも歩行者も誰一人としてなく、マッターホルンを独り占めする事ができた。

誰かが通ったであろうスキーの跡は、真っ白い雪にアクセントを与えていた。このスキーの跡がなかったら俺は写真を撮らなかっただろう。