Wander in Europe

 7   Autobahn 1/7 in Germany
 
「ダニエルよぉ、遊園地のローラーコースター乗れるか?」
 
「ああ、最高にエキサイティングだね」
 
「それなら、俺の助手席に乗れる。ナビ頼むわ。」
 
俺の発言に言葉を失うダニエルだが、ナビゲーションを引き受けてもらった。免許を取ってから4年目、今までに車を運転した回数は10回に満たない。超ペーパードライバーとして熟練の域に達しつつある。
 
 
旅も最終章を迎え、ドイツに入国した。これまでずっと世話になってきた、鉄道乗り放題のユーレイルパスも15日間フルに使いきり、失効してしまった。ドイツは4人で行動する為にレンタカーを借りている。ドイツで加わった2人は斉藤君とダニエル。斉藤君は、俺と和也同様の研究室から留学中でドイツのシュツットガルトで勉強しており、ダニエルは斉藤君の友達だ。
 
 
 
今日の最終ドライバーは俺で、ミュンヘン・シュツットガルト間300キロを運転する事になっている。ミュンヘン・シュツットガルトはアウトバーンが結んでおり、これを利用しない手はない。
 
車種
ホルクスワーゲン
Passat 1.9 TDISTW
 
ミュンヘン市内でガスを満タンにしたホルクスワーゲンは、アウトバーンへと足を踏み入れた。まずは片側2車線のアウトバーンをシフト5速に入れ時速100キロで走行してみる。実は6速まであるのだが、6速に入れても時速100キロ#きでは2000回転を下回ってしまう。だから今は5速で十分で2500回転くらいを維持している。
 
しばらく安全に時速100キロで走ると、レーンが1つ増え3車線となった。そして3本の斜線が入った速度標識が目に入った。
 
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
 
「今の標識見た?ここから速度無制限だ」
 
「おうよ!」
 
やっとこの6速を活かす時が来た。待ち侘びたその瞬間に体がウズウズする。左側へと車線変更し、加速の準備態勢へと入った。
 
俺の運転は危ないが、まあ何とかなるだろ
 
シフトを6速に入れ、アクセルをベタ踏みする。
 
!!
 
恐ろしいくらいの加速が生じた。時速150キロくらいまでならあまり怖くはないのだが、それを越えると視野に入ってくる物体の速さが全く違うように感じる。さらに夜なので視界が悪い。アウトバーンは道路照明がないので、頼りにできるのは車達の前照灯だけだ。
 
 
ホルクスワーゲンはあっという間に時速180キロへ達した。
 
よく前を見ろ、車間に注意せよ。
 
自分に言い聞かせながら運転する。その時、
 
「後ろ見て、後ろ」
 
バックミラーを見れば、ガチンコで煽られている。
 
ペーパードライバーの俺にとってこれ以上は危険である。中央車線へと移動し、アクセルを緩めた。
 
時速140キロで中央車線を走行している間も、左側車線をバンバン車が追い越していく。見た感じ時速200キロで走行中の車がいるが、さらにそれを後ろから煽っている車もいる。ここで走っているベンツやポルシェは活き活きとしているようにも見えた。
 
 
 
体験した事のない高速度で運転したためか目的地シュツットガルトに着いた時はヘトヘトに疲れてしまっていた。同様に疲れた表情をしているダニエルに聞いてみた。
 
「よぅダニエル、ちょっと怖かったかい?」
 
「お、おう、ちょっとな。」
 
よくぞ、俺のナビをしてくれた。サンクス。
 
 
 


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